
(画像:Hirorinmasa, CC BY-SA 3.0)
関西電力は9月8日、福井県の原子力発電所「高浜発電所」4号機(出力:870MW)について、定期検査中に蒸気発生器伝熱管の損傷が見つかったため、調整運転再開を10月19日に延期すると発表した。
同機は、2025年6月18日から第26回定期検査を実施しており、検査で蒸気発生器伝熱管9,727本の全数検査を行ったところ、計4本に摩耗や損傷が確認された。損傷した伝熱管に栓をするなどの対応を取るため、調整運転の開始は当初の9月下旬から約3週間遅れの10月19日となり、本格運転再開は11月13日の予定。
損傷の原因は、蒸気発生器内部に溜まった金属の付着物が伝熱管に当たり続けたことによる摩耗や、製造時に生じた金属内部の歪みに、運転中の高温や圧力が加わったことによるものとみられる。
原発の定期検査は、法により13ヵ月以内に1度行うことが義務づけられている。4号機は、次の第27回検査で蒸気発生器を取り替える計画で、第24回検査からは内部の高圧洗浄を行い、今回は格納容器内の小型クレーンを一時撤去した。
関西電力では現在、高浜原発2号機(出力:826MW)・3号機(出力:870MW)、「美浜発電所」3号機(出力:826MW)、「大飯発電所」4号機(出力:1.18GW)の計4基が運転中で、高浜原発1号機(出力:826MW)は9月6日に定期検査を開始し、12月下旬に運転再開を予定している。また、大飯原発3号機(出力:1.18GW)は定期検査を終え、9月10日に本格運転を再開した。