
(画像出典:ユーラスエナジー)
10月3日、風力発電の国内最大手であるユーラスエナジーホールディングス(以下:ユーラスエナジー)と太陽光発電を主力とするテラスエナジーが2025年4月1日付に経営統合し、ユーラスエナジーを存続会社とすることを両社の親会社である豊田通商が発表した。
同社のプレスリリースによると、「両社の統合により、ユーラスエナジーは、16の国と地域で事業を展開し、合計4,332 MW (2024年9月末時点) の国内No.1の風力・太陽光の発電容量を有する発電事業者となります」と述べた。
ユーラスエナジーが国内で操業している発電所は46件にのぼり、発電容量は1,318MW。このうち、陸上風力は1,071MW(37発電所)、残りは太陽光とのこと。また、国内で現在308 MW(7発電所)が建設中である。一方、テラスエナジーは主に国内の太陽光発電を中心として643MWの発電容量を保有している。
両社は統合に際して、再エネ事業を継続するとともに「蓄電池やバーチャルパワープラント(VPP)プラットフォームなどを活用したエネルギーマネジメントサービスの提供を通じた「集め・整え・届ける」を強化し、再エネ電力バリューチェーンの拡大と強靭化に取り組んでいきます」と発表した。
豊田通商は、両社の統合による経営資源の最適化を見込んでおり、両社に共通する技術やノウハウを集約化することで経営基盤を強化していく考えを示した。2024年4月1日時点の従業員数は、ユーラスエナジーが617名、テラスエナジーが184名である。
ユーラスエナジーは、2001年11月に豊田通商と東京電力ホールディングス(以下:東京電力)の合弁会社(豊田通商60%、東京電力 40%)として設立され、2022年8月1日に東京電力の保有する株式を1,850億円で取得し、豊田通商の完全子会社となった。
テラスエナジーの前身は、ソフトバンクグループの発電事業を行っていたSBエナジーである。2023年4月、豊田通商はSBエナジーの株式を85%取得し、テラスエナジーに社名変更を行なった。その後、今年4月30日に残りの15%の株式をソフトバンクグループから取得し、豊田通商の完全子会社となった。今回の経営統合は、子会社の再エネ事業を効率化する狙いがあると見られる。