
MUJI ENERGYから非化石証書を調達する
(画像:良品計画)
無印良品を運営する良品計画とJERAは6月25日、共同出資により、再エネ発電事業を行う特別目的会社、MUJI ENERGYを2025年9月に設立する予定であると発表した。出資比率は、良品計画が80%、JERAが20%である。良品計画は、新会社に21億円を投資する予定だ。
両社は2025年1月にCO2排出量削減に向けた発電事業の本格的な検討を開始しており、この協議を受けての新会社設立となる。新会社は、設立から1年以内に13MWの太陽光発電所の開発を目指しており、これは良品計画の年間電力消費量の約20%に相当する。
2024年5月に設立されたJERAの脱炭素事業子会社であるJERA Crossは、MUJI ENERGYが保有する発電所からの電力を束ね、それに伴う非化石証書を、バーチャルPPAを通じて良品計画に供給する。JERA Crossは、発電した電力を卸電力市場を通じて売電する一方で、良品計画はこれまで通り別の小売電気事業者から電力を調達する。
良品計画は、購入した非化石証書を活用して、同社がテナントとして入居している店舗の脱炭素化を進める。テナント店舗の場合、自社施設に比べて再エネ電力の供給を受ける選択肢がないこともあり、非化石証書を活用することで2030年までに全電力消費を再エネで賄う予定だ。
同社はまた、2030年までに自社で保有する店舗設備への太陽光発電所の設置を目指している。2023年8月に設置を開始し、2025年1月時点で25店舗に導入を完了した。さらに、埼玉県鳩山町の物流センターの屋上にも太陽光発電所(1.4MW)を設置している。
MUJI ENERGYの設立は、セブン&アイ・ホールディングスが2024年8月に設立した電力小売事業を手掛けるセブン&アイ・エナジーマネジメントや、ヤマト運輸が2025年1月に設立した、ヤマトエネルギーマネジメントに続くもので、法人の需要家による電力サプライチェーンへの資本参加が広がりをみせている。