
「促進区域」に正式に指定された
経済産業省と国土交通省は7月30日、6月に「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」(再エネ海域利用法)に基づく「促進区域」指定案の公告・縦覧を行っていた「北海道松前沖」および「北海道檜山沖」について、正式に促進区域に指定したと発表した。両区域は北海道で初の促進区域となり、洋上風力第4ラウンドの対象となる見込みである。
松前沖は松前町沖合の約3,710ha、檜山沖は江差町、上ノ国町、せたな町、八雲町沖合の約32,160haを区域としており、両区域はいずれも2023年5月12日に「有望区域」として整理された。
各協議会での協議を経て、松前沖は2024年7月31日、檜山沖は2025年3月19日に、促進区域への指定に異存はないとの意見がまとめられた。有識者による第三者委員会の審議も踏まえて基準を満たすと判断され、今回の指定に至った。
檜山沖における協議会では、公募により選ばれた事業者に対し、漁業や航路との調整、年間250円/kWを30年間、地域への還元として基金に寄付することを求めている。また、北海道の再エネ電力を本州に送る基幹インフラとなる2030年代に完成予定の北海道本州間連系線(日本海ルート、2GW)のケーブル敷設計画との整合性の確保も求められている。
経産省によると、松前沖では、250MW〜320MW規模の発電所の建設が見込まれ、関西電力が360MW規模の案件で環境影響評価手続きを進めている。
一方、檜山沖では、910MW〜1.14GW規模の事業が想定されており、関西電力と独RWE Renewables Japanが共同で1.68GW規模の計画を進めている。また、電源開発、コスモエコパワー、北海道電力、Copenhagen Infrastructure Partnersと三菱重工業による合弁会社なども、檜山沖でそれぞれ722MW〜1.5GW規模の案件について環境影響評価準備書を公表しており、同区域の公募では激しい競争が見込まれる。