
開発実績を持つ(画像:日本風力開発)
日本風力開発は4月17日、同社の関連会社である上ノ国風力開発が北海道上ノ国町および厚沢部町で開発を進めている最大142.8MWの陸上風力発電事業について「計画段階環境配慮書」を公表し、環境影響評価手続きを開始した。
「(仮称)上ノ国風力発電事業」では、約3,600haの事業実施想定区域に出力4.2MWの風力タービンを最大34基設置する計画だ。着工は2031年4月頃、運転開始は2034年4月頃を予定している。
建設予定地の周辺では、すでに複数の風力発電所が稼働している。ジェイウインドが2014年3月に運転を開始した「上ノ国ウインドファーム」(出力:28.0MW)、2024年5月に稼働した「上ノ国第二風力発電事業」(出力:41.5MW)、江差グリーンエナジーが2023年2月に運転を開始した「江差風力発電所」(出力:21.0MW)などがある。
また、同地域ではこのほかの陸上風力発電事業も開発中だ。ジェイウインド上ノ国による「上ノ国第三風力発電所」(出力:51.6MW)や、インベナジーが出資する上ノ国湯ノ岱ウィンドによる「(仮)上ノ国湯ノ岱風力発電事業」(出力:49.8MW)は現在「環境影響評価方法書」の段階にある。さらに、中部電力、北海道電力、カナデビア(旧:日立造船)の「宮越・湯ノ岱風力発電事業」(出力:最大240MW)やGPSSグループの日本風力サービスによる「檜山陸上ウィンドファーム事業」(出力:最大240MW)はすでに「計画段階環境配慮書」を公表した。
風況に恵まれたこの地域では、洋上風力の開発も進んでいる。2025年3月、経済産業省および国土交通省など関係機関は「北海道檜山沖」を再エネ海域利用法に基づく促進区域に指定することで合意した。同区域では、電源開発、コスモエコパワー、北海道洋上風力開発(コペンハーゲン・インフラストラクチャー・パートナーズと三菱重工業の合弁会社)、関西電力とRWE Renewables Japanのコンソーシアム、北海道電力の計5者が環境影響評価手続きを進めている。