
電力需要が急増する
電力広域的運営推進機関は1月22日、今後10年間(2025年度〜2034年度)のエリア毎の需要想定を公表した。2024年度〜2034年度の間の最大需要の年度平均増加率は0.4%増と予測された。
今後も省エネ対策や人口減少による電力需要の減少が見込まれているが、データセンターや半導体工場の新増設による電力需要の増加は、減少要因を上回るため2034年度の需要電力量は2024年度比で0.6%増加すると予想している。
最大需要電力は2024年度夏季実績の157.6GWから2025年度には1%増加の159.2GW、2034年度には164.6GWへと増える予測である。需要電力量は、2024年度の805.9TWhから2025年度には0.3%増加の808.6TWh、2034年度には852.4TWhに増加することが見込まれている。住宅需要は今後10年間で減少し、業務用需要は横ばい、産業用需要は急増すると予想されている。
また、データセンターおよび半導体関連の最大需要を合わせると、2025年度の560MWから、2030年度には5.38GW、2034年度には7.15GWに増加すると予測している。2025年度の最大需要電力のうち、470MWはデータセンター、90MWは半導体関連に起因する。また、2030年度は、84.4GWがデータセンター、0.98GWが半導体関連、2034年度は6.16GWがデータセンター、0.99GWが半導体関連の最大需要である。これにより、最大需要電力全体に占める両産業の割合は、2025年度の0.35%から2034年度には4.34%に大幅に増加する見込みである。
2034年度の最大需要電力が2024年度より減少すると予想されているのは、中部エリアと四国エリアである。一方で、2024年度から2034年度の間で高い年度平均増加率が見込まれているのは、中国エリア0.7%、東京エリア1.0%、北海道エリア1.1%である。いずれの年度平均増加率も夏季の最大需要をもとに予測したものである。
エネハブでは毎月、政府の政策・制度、電力市場の動きについて、ポイントをまとめた月次レポート「電力制度&市場トラッカー」を発行しています。2025年2月号では、本テーマについても取扱う予定です。