
2024年4月に全国で初めて導入された
宮城県は今年4月から、県内に再エネ発電設備を所有する事業者に対して独自に課税する「再生可能エネルギー地域共生促進税」条例を施行した。
同条例は、税収ではなく再エネ発電設備の適地誘導が目的である。したがって、一定の要件を満たせば非課税となる事項も含まれており、県は7月21日に「非課税」となる事業の第一号認定を行なった。
課税対象は、条例施行後に着工した0.5ヘクタールを超える森林開発を伴う再エネ発電設備で太陽光、風力、バイオマスに対してその発電出力に応じて、設備の所有者に営業利益の約20%に相当する額を毎年徴収する。
一方で、発電事業を実施するにあたり事業者が地域住民への丁寧な説明や環境への配慮、地域への貢献策などで地域との共生が図られていると認められる場合は、非課税認定を受けることができる。
第一号認定は、東北電力が100%出資する合同会社白石越河風力が白石市で計画する風力発電事業である。同市の山間地約9.0ヘクタールに風車8基を設ける計画で、発電容量は計33.6MWを想定しており、2026年度以降の運転開始を予定。非課税の認定を受けるにあたり、市の子育て支援策や周辺地区の清掃活動に合同会社が寄付することなどで合意したことが評価された。
8月26日に開かれた村井嘉浩知事の定例会見では、「しっかりと手順を踏んで住民の皆さんの理解を得れば、非課税の中で再生可能エネルギーを進めることができるという、一つの大きなモデルになったのではないかと思います」と話した。
再エネ条例をめぐっては、再エネ開発と地域や自然環境が共存していくための合意形成ルールを定める議論が活発化しており、青森県でも条例の制定と再エネ事業者への課税が検討されている。