太陽光第23回FIP入札結果、メガソーラー5件が募集容量93MWを独占 募集容量を超える入札

2025年3月10日
今回落札された5件は、すべて特別高圧の
太陽光発電所である

電力広域的運営推進機関(以下「広域機関」)は3月7日、出力が250kW以上のFIP太陽光発電所を対象とした太陽光第23回入札(2024年度第4回)の結果を公表した。

今回の入札では、過去3回(2024年度第1回〜第3回)に比べて、大規模な案件が目立つ結果となり、93MWの募集容量に対して、5件のメガソーラー案件が落札された。これまでの過去3回の入札では、小規模案件が20件以上落札されていたこととは対照的である。

落札案件は、7.69MW〜29.91MW(以後、すべてAC)の規模で、落札価格は4.47円/kWh〜6.98円/kWhの範囲となった。加重平均落札価格は5.06円/kWhで、供給価格上限額の8.98円/kWhを大きく下回る結果となった。

最大規模の案件となったのは、ドイツの再エネ開発事業者のHep Globalに関連するSPC(特別目的会社)、ヘップエスピーブイ16ジャパンが落札したもので、落札価格は5.00円/kWhだった。同案件は、太陽光第19回入札(2023年度第4回)でも5.00円/kWh落札したものとみられ、落札後にFIP認定を受けていなかったか認定を取り消された可能性がある。

また、真名子太陽光合同会社は29.9MW、根室西浜太陽光合同会社は16MWの案件をそれぞれ落札した。

なお、根室西浜太陽光の旧商号は、四ツ谷キャピタル太陽光1合同会社であり、四ツ谷キャピタルがSPCを売却したか、社名変更を行ったのかは明らかになっていない。真名子太陽光と根室西浜太陽光は、同じ入札価格 (4.47円/kWh) で落札し、代表者が同一であるため、両SPCは同一の開発業者によるものと考えられる。

残りの2件は10MW未満の規模で、ENEOSリニューアブル・エナジーが9.5MWを6.50円/kWhで、自然電力が7.69MWを6.98円/kWhでそれぞれ落札した。

今回の入札件数は43件、入札のあった太陽光発電所の総出力は144MWであり、太陽光第20回(2024年度第1回)以降、唯一募集量を超過する応募があったことになる。また、過去3回は2MW未満の高圧発電所による落札であったが、太陽光第19回入札(2023年度第4回)以来となる20MWを超える案件が落札された。

落札者は、2025年3月21日までに第2次保証金を納付し、2025年10月8日までにFIP認定を受ける必要がある。
なお、次回の太陽光第24回入札(2025年度第1回)は、2025年4月〜5月にかけて開催される予定だ。経済産業省は、今年度の第2回及び第3回入札で募集容量を下回る落札結果が続いたことを受け、太陽光第24回入札(2025年度第1回)の募集容量を79MWに引き下げることを決めている

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