太陽光第22回FIP入札結果、合計56MW(23件)が落札、依然として低調

2024年11月30日
募集容量に比べ、依然として入札は低調である

電力広域的運営推進機関(以下「広域機関」)は11月26日、出力が250kW以上を対象とした太陽光第22回FIP入札(2024年度第3回)の結果を公表した。同オークションの募集容量93MWのうち、落札されたのはわずか56.44MW(合計23件)であった。落札価格の加重平均は8.17円/kWh(前回比+0.09円/kWh)で、落札件数の合計は23件(前回比+1件)、落札事業者は合計13社(前回比+1社)となった。

入札された23件すべてが落札されたが、入札参加資格の審査のために提出された事業計画数の合計は28件であった。そのうち、4件は入札への参加が認められず、参加が認められた24件のうち1件は最終的に入札を行わなかったことが分かっている。

募集容量に対して61%が落札され、前回の第21回入札の落札率である31%を大幅に超え、前回入札よりも関心を集める結果となった。

ポルトガルの電力大手のグループ会社である、EDP Renewables APACと関係しているとみられるmiyagi motoyoshi solar合同会社は、同オークションで最大規模のプロジェクトとなる19.5MW/ACの東北エリアのプロジェクトを7.5円/kWhで落札した。シン・エナジーと関係しているとみられる、株式会社尾幌ソーラーグレージングは13.3MW/ACのプロジェクトを9.04円/kWhで落札した。前回の入札で同プロジェクトを8.5円/kWhで落札していたが、取引先の確保に至らなかったため、認定には至らなかった。

最も落札件数が多かった事業者は、八千代グリーンエナジー株式会社である。同社と関係があるとみられるYTS-Solar合同会社とともに、7.97円/kWhで合計6件、計2.5MW/ACの高圧プロジェクトを落札した。

また、合同会社RJファインを通じて事業開発を行なっている、リニューアブル・ジャパンの1.99MW/ACのプロジェクトも注目に値する。このプロジェクトは9.00円/kWhで落札されたが、これは前回の第21回入札で5.55円/kWhで落札された案件であり「事業計画の見直し」のために取り下げられた経緯がある。つまり、前回の落札価格の約2倍弱の価格で今回落札したことになる。

今回の入札では募集容量の93MWに達しなかったため、広域機関は入札対象として指定をする再生可能エネルギー発電設備の区分等における入札の実施に関する指針の規定に基づき、来年開催される太陽光第 23 回FIP入札(2024年度第4回)の募集容量を93MWとしたことを同時に発表した。

電力市場に関わる最新のニュースをメールで毎週受け取りたい方は、ぜひエネハブのニュースレター(無料)にご登録ください。

その他の電力市場最新ニュース

月次レポート

電力市場&市場トラッカーのサンプル(過去号の完全版)をご希望の方は以下のフォームよりお知らせください。メールでお届けします。