
新設された水力発電所である(画像:北陸電力)
北陸電力は5月2日、石川県白山市で建設を進めていた水力の「鶴来古町発電所」(出力:584kW)が同日運転を開始したと発表した。工事は2022年2月に着工した。
同発電所は、1937年から運転している流込み式水力の「鶴来発電所」(出力:1.6MW)の敷地内に新設し、鶴来発電所の未利用水を活用して発電を行う。
年間発電量は約4.6GWhを見込んでおり、発電する電力は全量FIT(固定価格買取制度)を通じて売電する。北陸電力が認定を受けた2021年度の水力(200kW以上1MW未満)のFIT価格は29円/kWhで、買取期間は20年間。
北陸電力は現在、130ヵ所以上(合計出力:1.9GW超)の水力発電所を運営しており、グループ会社も20ヵ所以上(合計出力:200MW超)を保有。2030年代初頭までに2018年度比で1GWの再エネ開発を目指しており、鶴来古町発電所はその目標に向け、最初に新設した水力発電所である。
これに先立ち、同社のグループ会社は2022年4月に新潟県糸魚川市で「新姫川第六発電所」(出力:27.9MW)、2023年4月に福井県大野市で「木本小水力発電所」(出力:660kW)の運転を開始している。
また、水力発電の拡大に向けた取り組みの一環として、同社は2030年に石川県小松市で「花立発電所」(出力:2.0MW)の運転開始を予定しており、JR西日本とオフサイトPPAを締結済みだ。さらに、グループ全体では、2023年5月に岐阜県高山市で「葛山発電所」(出力:25.0MW)、2025年5月に富山県上市町で「馬場島発電所」(出力:21.7MW)のリパワリング工事(水車・発電機等の一括更新)をそれぞれ完了しており、今後さらに8ヵ所でリパワリングを予定している。
なお、北陸電力は水力に加えて、PPAを通じた太陽光発電の拡大や、火力発電所における木質バイオマスの混焼比率の引き上げなど、再エネの拡大にも幅広く取り組んでいる。
お詫び (2025年5月11日): グループ全体で今後リパワリングを進める発電所の数に誤りがありましたので、訂正してお詫び申し上げます。