
区別はない
経済産業省は、2024年8月7日に開催された有識者会合*1で電源の出力抑制の順番(優先給電ルール)を早ければ2026年度中にも変更する考えであることを示した。
バイオマス発電と太陽光・風力の出力制御について、これまで区別のなかった固定価格買取制度 (FIT)電源とフィード・イン・プレミアム(FIP)電源について、FITとFIPを区別する考えである。つまり、バイオマスのFIT電源をFIP電源よりも優先して出力制御し、太陽光・風力についても同様にFIT電源から先に出力制御する。
優先給電ルールの見直し案
- 火力の出力制御、揚水・蓄電池の活用
- 他地域への送電(連系線の活用)
- バイオマスの出力制御(FIT電源→FIP電源の順)
- 太陽光、風力の出力制御(FIT電源→FIP電源の順)
- 長期固定電源(水力、原子力、地熱)の出力制御
有識者会合の委員からは、FIT電源が先に出力制御されFIP電源の出力制御の可能性が現状よりも減ることでかえって、FIP事業者にとって蓄電池を併設するインセンティブが低下するのではないかといった声があがった。
2018年10月に太陽光発電の出力制御が初めて行われて以来、再エネの出力制御は多くのエリアに広がっている。今年度の出力制御量はこれまでのところ昨年度よりも少ないが、今年3月に有識者会合*2で公表された2024年度の出力制御量の見通しによると、昨年度を上回る見込みである。
*1再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会(第66回)
*2新エネルギー小委員会・系統ワーキンググループ(第50回)