岩手県の八幡平リゾート、市内の地熱発電所2ヵ所から電力供給を受ける

2025年2月12日
2024年3月に運転を開始した安比地熱発電所
(画像:三菱グループ)

全国で8つの山岳リゾートを展開するアルピナリゾートマネジメントは1月24日、岩手県八幡平市にある八幡平リゾートで使用するすべての電力を、2025年2月から市内の地熱発電由来の電力に切り替えることを発表した。小売電気事業者は、地域新電力のはちまんたいジオパワーが担当する。

はちまんたいジオパワーは、アーバンエナジー八幡平市、地元の金融機関3社の出資により、2024年7月に設立された全国初の地熱発電を核とする地域新電力である。出資比率は、アーバンエナジー85%、八幡平市10%、岩手銀行2%、北日本銀行1.5%、盛岡信用金庫1.5%。

岩手地熱の「八幡平地熱発電所」(出力:7.499MW)と安比地熱の「安比地熱発電所」(出力:14.9MW)で発電した電力を供給する。これらの発電所は、FIT(固定価格買取制度)認定を受けており、はちまんたいジオパワーは特定卸供給契約を通じて電力を調達している可能性が高い。

八幡平リゾートでは2021年からJFEエンジニアリングの完全子会社であるアーバンエナジーが提供する「八幡平地熱ゼロエミプラン」を通じ、松尾八幡平地熱発電所の電力を八幡平マウンテンホテルで使用してきたが、2025年2月からは、はちまんたいジオパワーを通じてリゾート内で使用する電力を調達するという。

八幡平リゾートは、八幡平マウンテンホテルのほか、八幡平リゾートパノラマスキー場、下倉スキー場も運営しており、供給される電力はスキー場のリフトなどにも使用される。

はちまんたいジオパワーはこのほかにも、2025年2月から、八幡平市役所をはじめ、市内の全公共施設に電力を供給しており、契約する施設は現在58ヵ所、契約電力は合計3.94MWとなっている。

地域新電力の設立は、環境省が「2050年までにCO2の排出を実質ゼロにすることを目指す地方自治体(ゼロカーボンシティ)」の実現を推進していることからも、近年設立が相次いでいる

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