
(画像:九州電力)
九州電力は9月28日、佐賀県玄海町の「玄海原子力発電所」4号機(出力:1.18GW)について、定期検査後の通常運転の再開を延期すると発表した。主蒸気系統の検査に使用する弁に不具合が確認されたことが理由で、運転再開時期は、改めて公表するとしている。
同機は7月27日から第17回定期検査を実施しており、当初は9月30日に原子炉を起動し、10月2日に発電を再開、10月28日に通常運転へ復帰する予定だった。不具合が確認されたことにより、原子炉の起動以降のスケジュールが延期された。
九州電力は今回の不具合について「環境への影響はない」としており、安全確保を最優先とする姿勢を示している。
玄海原発4号機は1997年に運転を開始した加圧水型軽水炉(PWR)で、1994年に運転を開始した3号機(出力:1.18GW)とともに稼働中の原子炉2基のうちの一つである。1・2号機(各出力:559MW)は新規制基準への適合工事に多額の費用が見込まれたことから、採算性を理由に廃炉が決定され、それぞれ2015年と2019年に運転を終了している。
また、同様の不具合は過去にも発生しており、2025年6月には3号機で同様の弁の不具合が確認され、発電再開が延期された。3号機は、7月10日に商業運転を再開した経緯がある。
九州電力が運転するもう一つの原子力発電所である「川内原子力発電所」では、1・2号機(各出力:890MW)がそれぞれ2025年10月、2026年1月から定期検査に入る予定となっている。