
(画像:三菱倉庫)
三菱倉庫は8月25日、合計約700MWhの系統用蓄電所7件の開発を計画していると発表した。蓄電所は、全国に展開する自社の物流施設敷地内に設置し、既存施設の有効活用を図る方針である。
同日付の日本経済新聞によると、三菱倉庫は本プロジェクトに対し、総額400億円超の投資を見込んでいる。その第一弾として、埼玉県と神奈川県にそれぞれ1件ずつ、合計348MWh分の蓄電所を建設する計画である。第一弾案件の投資額は約200億円。
具体的には、埼玉県本庄市では「(仮称)児玉電力倉庫」蓄電所(2MW/8MWh)を開発予定で、敷地面積は約900m2。2026年度中に着工し、2027年度中の稼働開始を目指す。また、神奈川県横浜市の「(仮称)港北電力倉庫」蓄電所(85MW/340MWh)を、約13,000m2の敷地に設置し、2028年度中に着工、2030年度中の運転開始を予定している。
同社は、これら蓄電所を通じて、卸電力市場、需給調整市場、容量市場に参加する方針であり、電力の運用はアグリゲーターに委託する。また、データセンターの運営や大容量の電力設備の取扱いノウハウを活用し、一部を除く蓄電所の施設管理・保守は完全子会社のダイヤビルテックを通じて自社グループで担う方針を示している。
三菱倉庫は全国にさまざまな規模の物流施設を約80ヵ所運営しており、地域別の内訳は、神奈川県に14ヵ所、埼玉県に6ヵ所、九州に4ヵ所、関西では30ヵ所以上にのぼる。
同社は主に物流および不動産事業を中心に展開してきたが、2025年5月には定款を変更し、事業目的に「発電及び電気の供給業」を追加。これにより、系統用蓄電所事業への参入を表明した。