
経済産業省の専門家会合(再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会)は先月、再エネ予測誤差に対応するための「三次調整力②」の調達費用について議論を行なった。需給調整市場における調達量を減らし、削減分の調整力を余力活用契約による調達と組み合わせることで、調達費用の削減効果が36%に達することを明らかにした。
三次調整力②は、需給調整市場が開設された2021年度から調達が始まり、その調整力の確保は、FIT買取に起因するものであることを踏まえ、FIT交付金を交付している。
2024年4月以降、調整力としてのΔkW単価が1kWh当たり20円を超えることが多く、特に蓄電池・デマンドレスポンス(DR)などのリソースでは応札時のΔkW単価が高い水準となっていた。これに対し、需給調整市場における募集量を削減する仕組みなどを導入した結果、2024年4月〜5月にかけて約定率が全国平均で50%未満だったが、その後、80〜90%以上に増加した。募集量に対しての応札量不足を解消することにより、競争の活性化にも一定程度寄与した。
また、同専門家会合では、需給調整市場における募集量の削減効果を分析するために、2つのシナリオを比較した。一つ目は、募集量を削減せずに募集量とほぼ同じ水準の約定がなされた場合の推計約定総額で、余力活用契約の費用を勘案しないシナリオの推計。二つ目は、募集量を削減した場合の需給調整市場における約定総額とその削減分の調整力を余力活用契約を通じて調達した場合の総額の実績。
両シナリオの2024年6月〜10月の調達費用を比較した結果、余力活用契約を組み合わせることで調達費用を36%削減できることが明らかになった。具体的には、募集量を削減せずに調達した場合の費用は363億円、募集量を削減した場合は232億円となり、131億円の削減効果が確認された。
今後の対応案として、同専門家会合では2024年6月以降、一般送配電事業者が余力活用契約を通じて調達した調整力をFIT交付金の対象とすることが妥当であると示唆した。具体的には、三次調整力②の調達費用の交付は、前年の交付額と調達実績の差額を次年度の交付額の算定の際に差額調整を行うこととしているため、所定のルールを基本に差額調整をすべきと整理した。