
食品や不動産、太陽光発電事業を展開する三商が三重県鈴鹿市で開発を進める「鈴鹿市稲生山蓄電所」(1.9MW/8.1MWh)の系統用蓄電システムを受注したと、7月10日に日新電機が発表した。蓄電所の運転開始は2026年6月を予定している。
電力はアグリゲーターが卸電力市場、需給調整市場、容量市場で取引を行う予定である。同蓄電池は需給調整市場において、一次調整力〜三次調整力②のすべての商品に対応するという。なお、アグリゲーターについては現時点では公表されていない。
三商は1984年に設立され、食品などの卸売や不動産事業を展開してきた。2013年3月に太陽光発電事業へ参入し、三重県鈴鹿市および亀山市において、2025年5月末時点で2MW/ACの太陽光発電所3ヵ所、1MW/ACが1ヵ所、400kW未満が2ヵ所の計6ヵ所を運営している。経済産業省によると、いずれも認定は2012〜2013年度で、高いFIT価格の案件である。今回は太陽光発電事業に続く、蓄電所事業への参入とみられる。
近年、異業種からの系統用蓄電所事業への参入が相次いでおり、2024年7月には物流大手の上組が系統用蓄電所事業への参入を発表。兵庫県の「加西メガパワー蓄電所」(13MW/54.84MWh)は2026年春の運転開始を予定している。2025年4月には、不動産開発を手掛けるデュアルタップが第1号案件として千葉県で「(仮称)木更津蓄電所」(2MW/8MWh)の開発を開始している。
なお、日新電機は、中長期計画「VISION2025」において分散型エネルギー対応を成長戦略の一つに掲げている。