
(画像:レノバ)
再エネ事業を展開するレノバは6月30日、北海道石狩市で計画している「石狩蓄電所」(30MW)に関して、三菱UFJ銀行をアレンジャーとする約50億円のプロジェクトファイナンスを組成したと発表した。同蓄電所は2026年度に着工、2027年度の運転開始を予定している。
開発主体は、レノバが出資するSPC(特別目的会社)のアールスリー蓄電所で出資比率は、レノバが39%、SMFLみらいパートナーズが30.5%、匿名企業1社が30.5%である。また、レノバは石狩蓄電所の運転開始後に他社が保有する出資持分の一部を買い戻す権利を持っており、行使した場合には出資比率は最大75%に引き上げられる。
レノバは東京ガスと20年間のオフテイク契約を締結しており、東京ガスが石狩蓄電所の運用権を取得し、レノバはその対価として利用料収入を得る仕組みである。東京ガスは、蓄電した電力を卸電力市場、需給調整市場、容量市場を通じて売電する計画である。
今回の融資は、三菱UFJ銀行が国内で系統用蓄電所向けに手掛ける2件目のプロジェクトファイナンス組成(組成金額:約85億円)とみられる。1件目は、2024年4月にEku Energyの日本法人である日本蓄電が東京ガスと締結した宮崎県宮崎市の「広原蓄電所」(30MW/120MWh)に関するものである。
また、三菱UFJ銀行はこのほかにも、北海道伊達市の「ユーラス伊達ウインドファーム」(出力:10MW)において、FITからFIPへの移行に伴い、融資契約を固定価格型から市場連動型へと変更している。金融機関の契約設計も市場環境の変化に合わせて柔軟に対応する動きが進んでいる。