
(画像:レノバ)
レノバは9月30日、同社が出資する唐津バイオマスエナジーを通じて、佐賀県において「唐津バイオマス発電所」(出力:49.9MW)を9月27日に運転開始したと発表した。
同発電所は、2017年度にFIT価格(一般木質バイオマス)24円/kWhで認定を取得していたが、後にFIP制度へと移行。PPAを通じて需要家に電力供給する方針であるが、供給先については現時点で公表されていない。
燃料には、木質ペレットとパーム椰子殻(PKS)を使用し、発電量は年間約350GWhを見込んでいる。
発電所の建設は、2021年8月に4社によって最終投資決定がなされ、同月に着工。当初は2024年12月の運転開始を予定していたが、その後2025年3月に延期され、最終的には約6ヵ月遅れての稼働開始となった。EPC(設計・調達・建設)は、東洋エンジニアリングと日鉄エンジニアリングで構成する共同企業体が担当し、OE(オーナーズエンジニアリング)は関西電力が担った。
唐津バイオマスエナジーへの出資比率は、レノバが35%、東邦ガスが34%、JA三井リースが16%、イノセントが15%となっている。ただし、JA三井リースが保有する16%の出資持分については、レノバが完成日以降に買い増す権利を有しており、今後の持分構成が変更される可能性がある。
本案件は、レノバにとって7ヵ所目のバイオマス発電所であり、同社が保有するバイオマス発電容量は合計約445MW(出資比率考慮前)に達した。レノバはこれに先立ち、2025年1月に静岡県御前崎市において、中部電力などと共同で開発を進めた「御前崎港バイオマス発電所」(出力:75MW)を運転開始している。
東邦ガスも複数のバイオマス発電事業に参画しており、2025年9月に運転を開始した愛知県田原市の「田原バイオマス発電所」(出力:112MW)に10%出資している。