グローカル、北九州で最大30MW浮体式洋上風力の環境影響評価を開始、着床式からの計画変更

2025年2月26日
グローカルは2枚翼風力タービンの開発に力を入れている(画像:グローカル)

洋上風力発電の総合エンジニアリング企業のグローカルは2月14日、福岡県北九州市の白島沖で計画している浮体式洋上風力発電事業(最大出力:30MW)に関する「計画段階環境配慮書」を公表し、環境影響評価手続きを開始した。

グローカルは北九州市の環境影響評価条例に基づき、出力10~18MWの風力タービンを2~3基設置し、総出力は30MWを超過しないように計画を策定した。工期の詳細についてはまだ確定していないが、2027年夏頃の着工、翌年2028年夏頃の運転開始を目指している。

同社は2019年に同海域で出力6MWの風力タービン2基、総出力9.9MWの着床式洋上風力発電所の建設のための環境影響評価手続きを開始したが、「環境影響評価方法書」の段階で事業計画を見直し、浮体式洋上風力発電に変更した。経済産業省によると、グローカルは他にもFIT(固定価格買取制度)認定を取得した発電所2件(合計10.4MW)の開発を進めている。

発電所の建設予定区域周辺では、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業として、実証研究チームの一員としてグローカルや丸紅が3MWのバージ型風力タービンを稼働し、浮体式洋上風力発電システムの実証運転を行っている。また、九電みらいエナジー電源開発、その他3社が出資するひびきウインドエナジーは北九州市若松区沖の響灘において「北九州響灘洋上ウインドファーム」(最大出力:220MW)の開発を進めている。

国内の洋上風力発電はまだ初期段階にあり、経済産業省は2030年度までに5.7GWの導入を目指している。日本風力発電協会によると、2024年末時点で稼働している洋上風力発電所は7ヵ所、合計容量253.4MWで、浮体式はそのうちわずか5MWに留まっており、今後の導入拡大が期待されている。

電力市場に関わる最新のニュースをメールで毎週受け取りたい方は、ぜひエネハブのニュースレター(無料)にご登録ください。

その他の電力市場最新ニュース

月次レポート

電力市場&市場トラッカーのサンプル(過去号の完全版)をご希望の方は以下のフォームよりお知らせください。メールでお届けします。