
同様の手法で開発する
不動産開発を手掛けるエスポアは8月7日、岡山県矢掛町で系統用蓄電所を開発すると発表した。同社にとって初の蓄電所開発となり、系統連系は2026年10月を予定している。
この事業は、不動産クラウドファンディング運営会社のヤマワケエステートの協力のもと進められる。ヤマワケエステートは、自社クラウドファンディングサービスを通じて約5.23億円の資金を調達し、事業用地をエスポアから取得する。その後、エスポアがリースバックで賃借し、蓄電所の整備を行う。開発完了後は、蓄電所を電力事業者に売却し、運用はRE100電力が担う。なお、蓄電所の規模は現時点では公表されていない。
対象用地は、エスポアが2025年7月に岡山県のメンソーラから取得した敷地面積3,452m2の土地である。一般的にリースバックは、初期投資資金の回収や資金効率の向上を目的とする手法であり、エスポアは今回、土地の売却資金を同蓄電所の設備費や建設費に充当する方針だ。
同社は、2025年6月に発表した方針に基づき、売却を前提とした蓄電所開発を不動産事業の一環として推進している。岡山県の案件を含め、2025年8月までに全国で計7件の用地を取得する予定だ。内訳は、長野県4件と静岡県1件がいずれもCHANGEエネルギーからの権利取得によるもので、三重県の案件は個人所有地と合同会社ソサノヲの系統接続権を組み合わせて取得する計画だ。これらの案件については、2025年12月から2026年7月にかけて順次系統連系を行う予定としている。
一方、ヤマワケエステートはこれまでに12件の蓄電所開発に関連する資金調達を実施している。蓄電所開発では近年、クラウドファンディングを活用した資金調達が拡大傾向にある。その一例として、フォーシーズHDは、2025年5月にクラウドファンディング運営会社FUNDIと蓄電所開発に関する資金調達支援の業務委託契約を締結した。また、FUNDIは同年7月に静岡県の蓄電所開発に13.5億円を調達し、野村屋グループのノビレッジへの売却に合意している。