
(画像:オリックス)
太陽光発電所の開発を手掛けるウエストホールディングス(以下、ウエストHD)と電気機器メーカーのTMEICは4月22日、高圧の系統用蓄電所開発に向けた業務提携契約を締結したと発表した。
同日付の日本経済新聞の報道によると、両社は2025年度内に全国で20ヵ所(総容量:160MWh)の開発を開始し、2026年度までに整備を完了する計画だ。完工後は、その大半を売却する予定だ。
今回の提携において、ウエストHDが用地確保などの開発を担当し、TMEICは蓄電システムを提供する。TMEICが2024年7月30日に販売を開始した、柔軟な容量設計とレイアウトに対応可能な「フレキシブル蓄電システム」 を、今回の20ヵ所(各8MWh)すべてに標準採用するという。なお、第一号案件として、千葉県匝瑳市での高圧蓄電所の開発を進めることも公表した。
さらに両社は、特別高圧などの大規模蓄電所の開発も、順次進めていくことを併せて発表した。2025年3月時点では、広島県(10MW/35MWh)および熊本県(30MW/95MWh)の2ヵ所で合計130MWhの開発を共同で進めている。
今回の提携は、ウエストHDが2023年8月に発表した、パワーエックスと共同で2025年春までに200MWhの開発を目指す業務提携に続くものだ。 また、2024年8月には、AIを活用した蓄電池制御最適化技術を持つグリッドと、2027年度までに800MWhの蓄電所を開発することで合意している。さらに、今年3月には、太陽光発電所の施工事業などを展開するテクノロジーズの子会社で、再エネ開発を行うエコ革と同じく2027年度までに800MWhの蓄電所を開発する業務提携を発表した。ウエストHDは現在、2025年10月の稼働を目指し、広島県安芸高田市で34MWhの蓄電所を建設中だ。
一方、TMEICはこれまでにも蓄電システムの納入実績があり、例えば、関西電力とオリックスが和歌山県紀の川市で2024年12月に運転を開始した「紀の川蓄電所」(48MW/113MWh)など、複数の事業に参画している。