のぞみエナジーとJERA Cross、FIT太陽光で特定卸供給契約を締結、Hourly Matchingによる電力供給

2025年4月23日
特定卸供給契約により、FIT電源から新たな収益源を
引き出すことができる(画像:のぞみエナジー)

のぞみエナジーとJERA Crossは4月17日、のぞみエナジーが千葉県で保有する「Maki太陽光発電所」(出力:24MW)について、特定卸供給契約を締結したと発表した。

同契約により、FIT(固定価格買取制度)による電源を活用し、再エネの電力需給を1時間単位で一致させるHourly Matchingによる電力供給を実現する。これは、電力のCO2排出量をより正確に把握したい企業などからの注目が高まっている。

Maki太陽光発電所はFIT認定を受け、2019年に運転を開始している。発電した電力は、東京電力パワーグリッドを通じてJERA Crossに供給される。同社は、1時間単位で需給を一致させて、需要家に供給する予定だ。

通常、FITで発電した電力は、卸電力市場を通じて売電されるが、特定卸供給契約では、発電事業者があらかじめ契約した小売電気事業者を指定できる。送配電事業者は、その小売電気事業者に対して、電力をスポット市場価格で直接供給する。特定卸供給契約の対価として、発電事業者はFITに加え、小売電気事業者から1kWh当たりの追加収益を得ることができる。

この仕組みは、 地産地消に基づいた電力供給の手段として注目されており、FIT電源の価値を高めるものである。例えば、山形県酒田市では、電力の地産地消を促進するために特定卸供給を通じた電力供給が始まった。また、発電所と電力の紐付けができることで、電力需要がカーボンフリー電力と一致していることを可視化するHourly Matchingなどの高付加価値なサービスの提供にも繋がっている。

近年、非化石証書によるカーボンフリー電力の提供に留まらず、発電と需要の実時間での一致や、24時間365日カーボンフリーを目指す取り組みが増えている。こうした動きに伴い、特定卸供給契約に対する小売電気事業者からの関心は今後さらに高まる見通しであり、FIT認定を受けた発電所にとっても、新たな収益源としての可能性が広がっている。

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