
(画像出典:HEXA Renewables)
台湾を拠点とするHEXA Renewablesの事業会社であるヘキサ・エネルギーサービス合同会社は、昨年度行われた長期脱炭素電源オークションで落札した11件の蓄電池電源のうち、最初の案件となる福岡県の田川蓄電システム(29.97MW/130MWh)の建設を開始したと発表した。
2026年2月までの完工を予定しており、運転開始後から電源の固定費水準の容量収入が原則20年間得られることとなっている。
蓄電システムはSUNGROW製、それ以外の設備調達や建設工事を行うBOP(Balance of Plant)のEPC(設計・調達・建設)はしろくま電力が担当する。建設にあたり同社は「プロジェクトの建設は、以前太陽光発電に使用されていた土地を再利用するため、環境への影響は最小限に抑えられる」と述べている。
電力広域的運営推進機関の発表によると、同社は22.189MWの「田川市伊加利②蓄電システム」案件を長期脱炭素電源オークションで落札している。事業全体の発電容量は同オークションで落札された容量に加えて、オークションに入札されなかった「田川市伊加利①蓄電システム」の容量の合計である可能性もある。
同社が落札した案件は合計11件(計342MW)で、最も小規模の案件は前述の田川市伊加利②蓄電所であり、最も蓄電容量の大きい案件は定格出力40MWの「小矢部市石灘蓄電システム」(富山県)である。11件の事業エリアは、北海道に4件、中部エリアに2件、九州エリアに2件、東北・北陸・関西に各1件である。
長期脱炭素電源オークションは容量市場の一部で、電源投資の課題である長期的な予見可能性を高め、脱炭素電源への新規投資を促進することにより、長期にわたって脱炭素電源による供給力を確保することを目的に2023年度から導入された。
初回のオークションでは蓄電池と揚水発電の募集上限1,000MWに対し、蓄電池の応札量が4,559MWと上限を大幅に上回る応札があった。蓄電池の約定量は1,092MW、落札率24%となっており、2024年度に実施する同オークションでは蓄電池と揚水発電の募集上限は1,500MWに引き上げられた。
お詫び (2024年12月26日): 本事業の開発事業者名に誤りがありましたので、訂正してお詫び申し上げます。