
合計179.08MWhである
不動産業を営むfantasistaは9月20日、同社初の系統用蓄電所の運転開始時期を当初の2024年12月から2025年8月に延期すると発表した。設備の見直しによるスケジュールの変更である。
第1号案件は、群馬県太田市に立地する2MW/8.14MWhの「群馬太田蓄電所」である。同社の連結子会社であるNC MAX WORLDの100%子会社である合同会社fantasista battery1が運営する。
着工は今年4月を予定していたが、蓄電池の静寂性について再検討した結果、当初予定していた蓄電池とそれに付随する受変電設備の変更が必要と判断され、着工時期が2024年12月にずれ込むとのこと。EPC(設計・調達・建設)は、スズカ電工が担当する。工事は2025年4月末に完了し、試運転期間を経て2025年8月1日から運転を開始する予定である。
上記のプロジェクトのほかに、fantasistaは21ヵ所の蓄電所事業を開発中であり、いずれも蓄電池容量8.14MWhを導入する。同社はこのうち14ヵ所について既に事業用地を取得しており、来月(2024年10月)には、残りの7ヵ所についても取得予定である。
同社によると、群馬県の事業を除いた全21ヵ所について一般送配電事業者に系統連系のための接続検討申込みを行なっているが、現時点で回答があったのは奈良県大和高田市の案件のみである。
現在開発中の全22ヵ所の蓄電所事業の開発エリアは、東京エリアが8ヵ所、北陸エリアが6ヵ所、関西エリアが5ヵ所、東北・中国・中部エリアがそれぞれ1ヵ所ずつである。
系統用蓄電所事業については系統の空き容量の制約があり、連系までに時間を要している。先日、経済産業省の有識者会議でもそれに関連して暫定措置について議論が始まったばかりである。系統用蓄電所の系統連系を迅速化するために、一般送配電事業者と事業者との間に「充電制限契約」を締結する選択肢が検討されている。