非化石価値取引の改定、すべての非化石証書にトラッキング情報が付与、売買手数料の変更も

2024年8月26日
非化石証書の制度は、2018年5月に導入された

8月22日、2024年度第1回非化石価値取引市場の入札が始まった。今年度からすべての非化石価値に発電種別や発電所名などのトラッキング情報が付与される。また、それに伴い、非化石価値取引に関わる年会費や売買手数料の改定も行われた。

非化石価値が全量トラッキングされることで発電種別や発電所名のほかに、発電所所在地や運転開始から15年未満か否かの情報が明らかにされる。運転開始時期の情報については、2022年10月にRE100の技術要件が改定されたことが背景にある。2024年1月1日以降に締結する調達契約について、RE100での報告に用いることができるのは運転開始やリパワリングから15年未満の発電設備に制限するとするルールが適用される。

固定価格買取制度 (FIT)の認定を受けている発電所由来の非化石証書については、2021年に全量トラッキング化がなされ、市場で取引される非FIT証書についてはこれまで発電事業者が事前にトラッキングを希望しなければ、トラッキング情報が付与されることはなかった。

今年度から全量トラッキングされることで追加コストなどがかかることから非化石価値取引市場を運営する日本卸電力取引所(JEPX)は非化石価値取引会員の年会費を12万円から60万円に引き上げた。その一方で、売買手数料は0.01円/kWhから0.001円/kWhに引き下げた。

現在行われている非化石価値取引市場は、今年1月から3月に発電した電力の非化石価値が取引されており、入札は8月30日まで受け付ける。同取引市場は年4回開催されるため、第2回は今年の11月、第3回は来年2月、そして第4回は来年5月に行われる。

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