
九州電力が、宮崎県の水力「諸塚発電所」(出力:50MW)を揚水発電へ転換する方向で検討を進めていると、11月14日付の西日本新聞が報じた。改修完了は2033年度を目標としている。
出力制御量が増加している九州エリアで揚水発電を導入することにより、余剰電力を活用して水を汲み上げることで、九州エリアで頻発する出力制御量の緩和に寄与することが期待される。
諸塚発電所は、九州電力が初めて建設した揚水発電所として1961年に運転を開始した。しかし、ポンプ設備の老朽化により2008年に揚水設備が撤去され、その後は一般的な水力発電所として運用されてきた。今回の計画では、発電所を再び揚水発電へ転換し、余剰電力の活用と調整力の確保が見込まれる。
報道によると、九州電力は改修費用の一部に、長期脱炭素電源オークションの活用を検討している。過去2回のオークションでは、関西電力の「奥多々良木発電所」3・4号機や「奥吉野発電所」1・2号機、中部電力の「高根第一水力発電所」など、計5件の揚水案件が落札されている。2025年度に実施するオークションの事業者・電源情報登録は10月に締め切られ、2026年1月に入札が実施される予定だ。
九州電力は現在、熊本県の「大平発電所」(出力:500MW)、佐賀県の「天山発電所」(出力:600MW)、宮崎県の「小丸川発電所」(出力:1.2GW)の3ヵ所で揚水発電所を運用している。九州エリアでは系統用蓄電所や太陽光発電所に併設する蓄電池の整備も進んでおり、これらを活用した多様な手段で余剰電力の活用や出力制御量の抑制に取り組んでいる。