北海道電力と東北電力、稼働中風力として国内最大の「石狩湾新港洋上風力発電所」に参画

2025年10月17日
2024年1月に稼働開始した国内最大の洋上風力
(画像:JERA)

北海道電力東北電力は10月1日、共同設立したSPC(特別目的会社)が、「石狩湾新港洋上風力発電所」(系統接続容量:99.99MW)についてJERAの子会社であるJERA Nex Limited(以下、「JERA Nex」)が保有する事業権益の一部を9月30日付で取得したと発表した。

同発電所は、グリーンパワーインベストメント(以下、「GPI」)とJERAのSPCであるグリーンパワー石狩により、2024年1月1日に商業運転を開始した。稼働中の洋上風力発電所としては日本最大で、今後はJERA、GPI、北海道電力、東北電力の4社によって運営される。

GPIは、2023年8月にJERAとNTTアノードエナジーが共同で買収した本事業のリードディベロッパーである。JERA Nexは8月1日、英・石油大手BPとJERA Nex bpを設立しており、本事業は今後JERA Nex bpに移管予定である。

同発電所は、シーメンス・ガメサ製の8MW風力タービン14基で構成され、総出力は112MWだが、系統接続の制約により合計出力は約100MWに制限されている。発電した電力は、180MWhの蓄電池を設置した変電所を経由し、着床式洋上風力発電が入札制に移行する前に適用されたFIT契約(36円/kWh、20年間)に基づき、北海道電力ネットワークに全量供給されている。

GPIは、2012年に石狩湾新港洋上風力発電所の環境影響評価手続きを開始した。建設工事は2022年10月に始まり、陸上工事は鹿島建設が担当し、洋上工事は清水建設日鉄エンジニアリングの共同企業体が担当した。

北海道電力と東北電力はほかにも洋上風力事業を推進している。北海道電力は2024年11月に「北海道檜山沖」で計画中の最大1.14GWの洋上風力の環境影響評価を開始した同区域は2025年7月30日に再エネ海域利用法に基づく促進区域に指定され、次回の洋上風力入札の対象となる予定。また、東北電力はJERA主導のコンソーシアムの一員として、洋上風力第2ラウンド「秋⽥県男⿅市、潟上市及び秋⽥市沖」の315MW洋上⾵⼒発電事業を落札した。

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