
(画像:戸田建設)
沖縄電力は9月12日、オリオンビールグループのオリオンホテルと戸田建設との三者間で締結したオフサイトPPA契約に基づき、オリオンホテルへの売電を開始すると発表した。供給開始は2025年10月を予定しており、沖縄電力にとって初めてのオフサイトPPAとなる。
戸田建設が所有する「浦添ロジスティクスセンター」(沖縄県浦添市)の屋上に設置した太陽光発電所(出力:1MW)から、「オリオンホテル モトブ リゾート&スパ」(沖縄県本部町)に電力を供給する。年間発電量は約1.7GWhを見込んでおり、同ホテルの年間消費電力の約25%を賄う計画だ。トラッキング付き非化石証書の割当も予定している。
エネハブのPPAデータベースによると、今回の取引は、沖縄電力の再エネ事業グループ会社である沖縄新エネ開発が行った小規模オンサイトPPAに続くものである。同社は2022年に「沖縄IT津梁パーク」(沖縄県うるま市)向けのオンサイトPPA(総出力:50kW)を開始している。
沖縄エリアは電力系統が独立しており、規模こそ小さいものの、近年は本土の大手企業からの関心が高まっている。2024年度の電力需要は約8.7TWhと、日本全体の総電力需要の約1%にとどまり、国内で最も小さい。国内で2番目に小さい四国エリアの約3分の1に相当する。一方で、全電圧合計の新電力シェアは2018年には5%未満だったが、2024年10月には11.7%に達し、着実に市場競争が進んでいる。
その一例として、2025年7月に資本業務提携したイーレックスとグローバルエンジニアリングは、同エリアで卸融通等の協業を検討しており、KDDIもグループ会社の沖縄セルラー電話を通じて、2025年10月から電力小売事業への参入を計画している。