
北海道電力は9月12日、火力発電所の「砂川発電所」3号機(出力:125MW)について、損傷したケーブルの補修を行った上で、2025年11月28日頃に運転再開の予定であると発表した。
1977年6月に運転を開始した3号機は、2025年3月31日から稼働停止して設備工事を進めていたところ、5月に送電ケーブルの一部に損傷が見つかった。当初、復旧時期は未定とされていたが、このほど復旧の見通しが立った。砂川発電所では現在、1982年に運転を開始した4号機(出力:125MW)が稼働中である。
北海道電力が保有する石炭火力発電所は、砂川発電所(総出力:250MW)と、「苫東厚真発電所」(総出力:1.65GW)、2019年3月に運転を休止した「奈井江発電所」(総出力:350MW)の3ヵ所。奈井江発電所は、LNG火力発電所である「石狩湾新港発電所」1号機(出力:569.4MW)を2019年2月に稼働したことにより、休止していた。
このうち運転開始から40年以上経過している砂川発電所3・4号機と、50年以上経過している奈井江発電所1・2号機については、設備の老朽化などを理由に2027年3月末の廃止が決定している。今回の復旧工事は、廃止までの安定供給を確保するための措置である。
世界的な脱炭素化の流れを受け、石炭火力からLNG火力への移行が進む中、北海道電力もその一環として、LNG火力である「石狩湾新港発電所」で2・3号機の新設を計画しており、石炭火力からの転換を進めている。このほか、電源開発、四国電力、太平洋セメントの3社が共同運営していた高知県高知市の石炭火力発電所「土佐発電所」(出力:167MW)も、2025年3月に運転を終了している。