東北電力、東通原発1号機の安全対策工事完了時期の公表を1年半延期、2027年3月公表予定

2025年8月24日
基準津波の再評価に伴い、スケジュールの見直しが
行われた(画像:東通村)

東北電力は8月18日、青森県東通村にある「東通原子力発電所」1号機(出力:1.1GW)の安全対策工事について、完了時期の公表を1年半遅れの2027年3月頃に延期すると発表した。

敷地造成などに関する追加検討が必要となり、工程見直しの確定にさらに時間を要すると判断した。

同発電所は2005年12月に運転を開始したが、2011年3月の福島第一原発事故後に運転を停止した。現在は、自然災害や重大事故に対処する安全対策の一環として、原子力規制委員会による設備審査(プラント審査)への対応準備を進めている。

当初、東北電力は2024年度の安全対策工事の完了を目指していた。しかし、想定される基準津波(最大規模の津波)の再評価が必要となったことから、津波対策を含む安全対策全体の再検討を行うこととなり、これに伴いスケジュール全体の見直しが行われた。現在は、基準津波に対する安全裕度の向上を目的とした敷地造成計画などが進められている。

なお、福島第一原発事故以前、東通原発の敷地内では、東北電力が1号機に加え2号機(出力:1.385GW)の建設を計画していたほか、東京電力ホールディングスも原子炉2基(各出力:1.385GW)の建設計画を進めていた。東京電力の1号機は2011年1月に着工したが、同年3月の原発事故後、本格的な工事を見合わせており、両社の2号機の建設計画も中断した状態が続いている。

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