
スイスのエネルギートレーダーであるGunvor Groupは、6月下旬に日本の電力先物市場で初めて取引を行ったと、Bloombergが7月25日に報じた。
Gunvor Groupは今後、東京に事務所を開設し、現物取引への拡大も視野に入れているという。
国内の電力市場は、固定価格で電力を買い取るFIT制度から、市場価格に連動するFIP制度への移行期にある。このため、外資系電力トレーダーの日本市場への関心が高まっている。これまでにオランダのVitol GroupやデンマークのMFT Energy、さらにゴールドマン・サックス証券とデンマークのIn Commodities JPが2025年5月に日本卸電力取引所(JEPX)の取引会員として登録されるなど、多くの外資系企業が参入している。
FIT制度は2012年度に開始され、再エネの導入拡大を後押しした。一方で、2013年施行の原子力発電所の新規制基準により、原子力発電所の再稼働には時間がかかっており、電力供給の安定化に影響を与えている。こうした背景から、電力市場のボラティリティ(価格の変動性)は高く、電力先物取引も活発化している。
欧州エネルギー取引所(EEX)における日本向け電力先物の月間取引量は、2025年6月に前年同月比2倍以上に達しており、市場の成長は著しい。同取引所では、取引参加者数が約100社にのぼり、関西エリアの日次先物商品の導入も検討されている。
Gunvorは2025年2月に、Akaysha Energyとオーストラリアの大規模蓄電所(205MW/410MWh)に関するオフテイク契約を締結しており、両社は日本の蓄電所事業でも同様の契約を検討している。2025年度の第3回長期脱炭素電源オークション以降、運転継続時間が6時間未満の蓄電池を入札対象外とする制度の見直しが行われ、長期のオフテイク契約は融資確保や事業収益の安定化に向けた手段として、今後さらに注目されるとみられている。