
バードストライク対策の改善により、運転を再開した
(画像:ユーラスエナジー)
ユーラスエナジーホールディングス(以下、「ユーラスエナジー」)は7月12日、北海道幌延町にある「浜里ウインドファーム」(出力:47.5MW)について、日中の運転を停止していた風力タービン14基のうち13基の運転を再開したと発表した。残り1基については、依然としてバードストライクのリスクが高いため、引き続き停止している。
同発電所では、2023年5月の運転開始以降、2025年3月までに計11件(オジロワシ10件、オオワシ1件)のバードストライクが確認されていた。これを受け、2024年12月には対策の一環としてバードストライク対策システムの試験導入を行った。
しかし、その後も衝突が続いたことから、日の出1時間前〜日没までの時間帯について、2025年3月に段階的に運転を停止し、3月25日からすべての風力タービンを停止していた。
日中の運転再開は、春季の渡りが終わり、発電所周辺における海ワシ類の飛翔数が減少したこと、ならびにバードストライク対策システムの調整および改善を行ったことを踏まえて判断された。
浜里ウインドファームは、ユーラスエナジーの子会社である道北風力が運営する「道北風力発電事業」(総連系出力:434.5MW)の6ヵ所のうちの1ヵ所である。同事業は、2025年2月の「芦川ウインドファーム」の南側区画(連系容量:60MW)の運転開始により、事業全体が完了した。
国内最大級の陸上風力発電事業者であるユーラスエナジーは、国内外で20年以上にわたり陸上風力の開発・運営を行ってきた。2025年3月には福島県いわき市で「(仮称)四時風力発電事業」(最大出力:80MW)の環境影響評価手続きを開始するなど、新規事業の開発と並行して、運転中の発電所の設備更新にも取り組んでいる。その一例として、青森県横浜町の「ユーラス大豆田ウインドファーム」(出力:10.5MW)や鹿児島県鹿屋市の「ユーラス輝北ウインドファームⅠ」(出力:20.8MW)ではリプレース工事も進められている。