
建設された(画像:ノバルホールディングス)
再エネ発電所の開発から運営を手掛けるノーバル・ホールディングス(以下、「ノーバル」)は7月3日、子会社のノーバル・ソーラーが茨城県取手市に系統用蓄電所「ノーバル・パワーC3」(1.9MW/3.9MWh)を6月25日に運転を開始したと発表した。
蓄電所の運用は、関西電力の完全子会社であるE-Flowがアグリゲーターを担当する。なお、電力取引は卸電力市場、需給調整市場、容量市場を通じて行う予定だ。
ノーバル・パワーC3は、商業運転開始の約2ヵ月前の4月1日に系統連系を完了した。この事業は東京都の2022年度「系統用大規模蓄電池導入促進事業」に採択され、蓄電所の建設にあたっては1.87億円の補助金が交付された。
同事業は、2025年3月に同じく2.62億円の補助金の交付を受けて茨城県常総市で運転を開始した「ノーバル・パワー C2」(1.9MW/4.9MWh)に続く案件である。取手市の案件とは異なり、常総市の蓄電所ではCATL(寧徳時代新能源科技)製の蓄電ユニット(407.3kWh)12基が導入されている。ノーバルは、今後も系統用蓄電所事業の展開を計画しているが、具体的な計画や新たな補助金の申請計画については明らかにしていない。
ノーバルは、国内で一般的な高圧蓄電所(2MW/8MWh規模)ではなく、より小規模かつ短期間で開発可能な蓄電所に注力している。これにより、理論上は設置面積が限られていても、平均的に高い収益性が期待できるとみられる。