
関西電力は6月30日、福井県高浜町の原子力発電所「高浜発電所」3号機(出力:870MW)について、第27回定期検査を終えて同日運転を再開したと発表した。3号機は2025年2月22日より定期検査を実施し、6月4日から調整運転を開始していた。
高浜発電所は、加圧水型軽水炉(PWR)を採用する1〜4号機の原子炉を運転している。なお、同3・4号機は運転期間から30年を超える発電所のため、運転継続に必要な「長期施設管理計画」を2024年8月に原子力規制委員会に提出し、2025年1月に認可を受けている。
関西電力では現在、このほかにも高浜発電所1・2号機(各出力:826MW)、「美浜発電所」3号機(出力:826MW)、「大飯発電所」4号機(出力:1.18GW)の計4基が運転中である。2025年6月からは、大飯発電所3号機(出力:1.18GW)および高浜発電所4号機(出力:870MW)の定期検査を行っており、それぞれ9月上旬と10月下旬の運転再開を予定している。
また、2025年6月6日に施行されたGX脱炭素電源法では、法令改正や審査などに伴う事業者に起因しない停止期間が運転期間から除外され、最長60年を超える長期運転が可能となったため、今回の定期検査に伴う停止期間は運転期間の対象外となる。
政府は第7次エネルギー基本計画において、2040年度の電源構成における原子力の割合を20%とする目標を掲げており、既存の原子力発電所を長期的に活用することがその達成に不可欠であるとされている。