ヤンマーHD、営農型太陽光で農業支援、滋賀・岡山に第1弾、2030年度までに1,000ha開発へ

2025年6月16日
滋賀・岡山で年間247MWhの発電量を見込み、
2026年4月に運転を開始する予定だ(画像:ヤンマーHD)

ヤンマーホールディングス(以下、「ヤンマーHD」)は6月11日、環境再生型農業と営農型太陽光発電を活用した農業支援の取り組みを開始すると発表した。2030年度までに全国で1,000ha規模の展開を目指すという。

同事業では第1弾として、滋賀県栗東市および岡山県岡山市の農地に営農型太陽光発電所を設置する。両拠点では太陽光パネルの下で米を栽培し、2026年4月頃の運転開始を予定している。

滋賀県の発電所では年間発電量は78MWhを見込み、発電する電力はヤンマーコーポレーションおよびヤンマーHDに供給する。岡山県の発電所では年間169MWhを発電し、岡山市のヤンマーアグリおよびヤンマーエネルギーシステムに電力を供給する。

なお、両拠点では、営農の担い手が異なる2つのモデルを採用している。滋賀県ではグループ会社のヤンマーシンビオシスが担う「自社営農型モデル」を、岡山では地元農家による「農家営農型モデル」として事業を展開し、今後の全国展開を見据えて異なる運用モデルを導入している。

今回の取り組みに先立ち、ヤンマーアグリおよびヤンマーアグリジャパンは、千葉大学および千葉エコ・エネルギーと共同で、太陽光発電システム下での営農に関する研究を進めてきた。また、滋賀県米原市とは、耕作放棄地に営農型太陽光発電を導入し、地域内でのエネルギー循環を図る「ECO VILLAGE構想」を推進している。

環境省は、太陽光発電所の開発適地が不足するなか、農業経営の収益性向上や耕作放棄地の抑制を目的として、営農型太陽光発電所の設置を推進している。営農型太陽光発電所の設置に向けた農地の一時転用許可が2022年度には単年度で200ha以上認められ、累計では1,200haを超える農地が転用許可を受けている。

同様の取り組みは他社でも進んでおり、東急不動産と自然電力は2025年4月に合弁会社を設立し、今後2年間で合計10MWを開発する計画だ。また、豊田合成は同月、営農型太陽光発電所の開発を手掛けるアグリツリーへ出資した。さらに、クボタは2025年6月に、営農型太陽光の容量を4倍に拡大する方針を発表している。

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