
活用している(画像:シン・エナジー)
再エネ開発を手掛けるシン・エナジーは6月5日、地元企業と共同出資する合弁会社の奥飛騨水力発電が岐阜県高山市で開発を進めていた「外ヶ谷水力発電所」(出力:585kW)の竣工を発表した。
同発電所は、水の落差を活用した流れ込み式の水力発電所で、立軸ペルトン水車を採用。年間発電量は2.84GWhを見込んでおり、発電した電力はFITに基づき29円/kWhで中部電力パワーグリッドに全量売電する。
外ヶ谷水力発電所は、奥飛騨水力発電が奥飛騨温泉郷で開発した3ヵ所目の小水力発電所となる。同社は2020年12月に「安房谷小水力発電所」(出力:657kW、年間発電量:3.28GWh)を、2023年5月に「一宝水第一水力発電所」(出力:657kW、年間発電量:4.18GWh)をそれぞれ稼働しており、今回の竣工により同地域での合計出力は1.9MW、年間発電量は約10.3GWhに達する。
岐阜県では、豊富な水資源と急峻な地形による高低差を活用した小水力発電の導入が進んでおり、自治体や民間による取り組みも活発である。高山市は2024年11月、岐阜県内で初めて「脱炭素先行地域」に選定され、2025年1月には市内で小水力発電所2ヵ所が運転を開始した。これらの発電所は特定卸供給契約を通じて、地域新電力である飛騨高山電力に年間5.5GWhの電力を供給している。
シン・エナジーは全国で小水力発電所の開発実績を持ち、地場企業との協業を通じて開発を行っている。2016年4月に岩手県八幡平市で「松川小水力発電所」(出力:37kW)の運転を開始した。また、秋田県仙北市では2021年8月に「鶴の湯水力発電所」(出力:199kW)を、同年9月には「小野草水力発電所」(出力:325kW)を相次いで運転を開始している。