
運転を開始した
福島民友新聞は4月15日、会津電力が福島県喜多方市で7ヵ所の営農型太陽光発電所を4月14日に稼働させたと報じた。同社はさらに2ヵ所を建設中で、2025年6月1日までに運転を開始する予定だ。
新たに運転を開始した発電所は、農地や耕作放棄地を活用し、約2.9haの敷地に計2,490枚の太陽光パネルを設置。建設中の2ヵ所を含む、計9ヵ所の太陽光発電所の年間発電量は、約1.9GWhを見込んでいる。
発電した電力は、会津電力の関連会社である会津エナジーがオフサイトPPAを通じて、市内の学校など公共施設53ヵ所に供給する。総事業費は約2.4億円。
運転開始後は、太陽光パネルの下部農地でソバやコメなどの農作物を栽培し、会津電力が農業法人等に地代や管理費などを支払うという。
太陽光発電所の開発に適した未利用地が不足するなか、カーポートや水上太陽光と並んで、営農型太陽光発電は事業者の注目を集める選択肢の一つとなっている。
2025年4月農林水産省が公表した資料によると、2022年度末時点で、営農型太陽光発電所の所有者の約70%(3,618件)が発電事業者、約30%(1,546件)が農業者や農地所有者だった。また、2024年8月には経済産業省と農林水産省が連携して、営農型太陽光発電事業に対し、下部農地での営農が適切に継続されていないなどの理由からFIT(固定価格買取制度)およびFIP(フィード・イン・プレミアム)交付金の一時停止措置を実施し、政府は事業の適正な運営に向けた取り締まりを強化している。
2025年2月には、出光興産が福島県小松市に、2MWの次世代営農型太陽光発電所の建設を開始したと発表した。同発電所は、可動式パネルを採用することで、農作物への日射量を最大化し、営農と発電の両立を目指すものだ。また、今月11日には、太陽ホールディングスが兵庫県内で合計2.52MWの水上太陽光2ヵ所の運転を開始した。太陽光発電に適した土地の確保が難しくなる中、営農型太陽光や水上太陽光発電所の開発が今後増えていく見通しだ。