
合計11件の蓄電所事業を落札した
世界的なインフラ投資会社 I Squared Capital傘下のヘキサ・エネルギーサービスは4月4日、福岡県田川市で建設中の「田川伊加利②蓄電システム」(30MW/130MWh)および隣接する太陽光発電所(2MW/DC)に関し、プロジェクトファイナンスによる融資契約を締結したと発表した。
契約は3月31日付で、三菱UFJ銀行およびフランスの大手金融機関ソシエテ・ジェネラル銀行の東京支店と締結した。なお、融資スキームや融資金額などの詳細は公表されていない。
同事業は、ヘキサ・エネルギーサービスが関連するSPC(特別目的会社)であるハニカム8が蓄電所、ハニカム12が太陽光発電所をそれぞれ運営する。蓄電所の建設は2024年末に着工し、2026年2月の運転開始を予定している。
田川伊加利②蓄電システムは、ヘキサ・エネルギーサービスが2023年度の長期脱炭素電源オークションで落札した11件の蓄電所事業の一つであり、これらの落札事業の合計は445MW/1.9GWhに達する。調整係数適用後の落札容量は約342MWである。同社はこれらの蓄電所を着実に稼働させ、全国的な調整力の確保に貢献していくという。
また、これらの大規模案件のほかにも、同社はパワーエックスとの提携のもと、今後1年間で10ヵ所以上の高圧蓄電所(2MW未満)の開発も進めている。
ヘキサ・エネルギーサービスは、太陽光や風力といった変動性電源の導入拡大に伴い、調整力の需要が高まっていることを受け、系統用蓄電所の展開を積極的に進めている。