ポート、系統用蓄電所事業への参入を検討、群馬県で2MW/8MWh蓄電所3ヵ所を開発へ

2025年4月4日
ポートは群馬県で2MW/8MWh蓄電所2ヵ所の建設を開始した(画像:ポート)

販売・マーケティング支援サービスを手掛けるポートは3月31日、系統用蓄電所事業への参入を検討し始めたことを発表した。同社は群馬県で、3件の蓄電所(2MW/8MWh)の開発を進めており、2025年中に運転を開始する予定だ。

ポートは2021年に電力業界に参入し、オンサイトPPAを通じた自家消費型の太陽光発電サービスを提供する事業者と提携した。これは、リフォーム業者向けの販促支援SaaSを運営していたことから、リフォーム時に足場を組む際、同時に太陽光パネルも設置することでコストを抑えられると見込んだため事業性があると判断した。

現在は、電力事業者向けに販促支援や業務支援サービスを提供しており、小売電気事業者と連携し、新規顧客獲得に向けた販促支援を行っている。こうした事業基盤を活かし、電力の調達支援業務を目的に系統用蓄電所事業への参入を検討している。

これまで電力業界での事業開発経験はないが、大手エネルギー企業での勤務経験を持つ人材を採用し、2023年10月に事業開発組織を立ち上げた。今回の事業検証には、土地取得や設備導入などに約10億円を投じる予定で、本格的に事業参入する場合はグリーンローン等の資金調達手段も活用する方針だ。

検証対象となる系統用蓄電所3ヵ所のうち、群馬県太田市と伊勢崎市にそれぞれ1ヵ所ずつ、2024年11月から着工しており、2025年6月の運転開始を予定している。また、伊勢崎市の2ヵ所目の事業は2025年5月に着工し、2025年10月に運転を開始する予定だ。

太陽光や風力などの変動性電源の増加に伴い、調整力の需要が高まっており、他業種からの電力業界への参入も増えている。特に、蓄電所事業への関心が高まっており、2025年2月には化粧品卸事業を手掛けるフォーシーズホールディングスが、同年3月には衣料品小売業のスターシーズが蓄電所事業への参入を発表している。

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