青森県議会、再エネ共生・課税条例を可決、2025年度から太陽光・風力発電に課税

2025年3月28日
再エネ課税条例は今後全国的に広がっていく可能性がある

青森県議会は3月24日、本会議で「青森県自然・地域と再生可能エネルギーとの共生条例」および「青森県再生可能エネルギー共生税条例」を可決した。これらの条例は、総務大臣の同意を得て、2025年度内に施行される予定だ。

両条例は、2MW以上の太陽光発電所 (建築物を除く) と500kW以上の陸上風力発電所が対象だ。新条例は、すでに工事計画を届け出た事業には適用されないが、条例の施行までに環境影響評価手続きを開始している事業は、条例に定められた合意形成プロセスの対象となる。

また、同条例は自然環境と再エネ開発の共存を目指しており、県内を「保護地域」、「保全地域」、「共生区域」、「調整地域」の4つにゾーニングしている。保護地域では再エネ事業の開発が原則禁止されており(ただし一部例外あり)、保全地域では共生区域に指定されない限り、事業の実施を認めない。

さらに、青森県再生可能エネルギー共生税条例では、電源種と所在区域によって異なる課税単価が定められ、毎年課税される。具体的には、太陽光発電所が保護・保全地域にある場合は410円/kW、調整地域の場合は110円/kW。風力発電所については、保護・保全地域にある場合は1,990円/kW、調整地域にある場合は300円/kWの課税となる。

青森県は制度検討のため、2024年5月〜12月にかけて計6回の有識者会議を開催し、条例案の作成と審議を行った。同会議は、県が2023年9月に「自然環境と再生可能エネルギーとの共生構想」を受けて設置した。

再エネ事業への地元住民の反対や環境問題への懸念が高まる中、青森県は全国の市町村や都道府県に先駆けて、再エネ開発エリアを規制する条例を施行することとなる。福岡県飯塚市や北海道登別市でも、同様の条例案が市議会に提出されている。また、再エネ課税条例の導入は、宮城県に続き2例目となる。

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