
東レは3月4日、北陸電力ビズ・エナジーソリューション(以下、「北電BEST」)を通じて石川県能美市の石川工場に5MWの地上設置型太陽光発電所を建設すると発表した。
両社はオンサイトPPAを締結し、発電する電力の年間想定発電量6GWhをすべて同工場で使用する。設置工事は今月中に完了し、電力供給は4月から開始する予定だ。東レの石川工場は、敷地面積約 37,000m2を有し、衣料品向けのポリエステルやナイロン長繊維のほか、航空機やスポーツ用品向けの炭素繊維複合材料を製造している。
東レは、2022年3月に本社ビルの所有者である三井不動産を通じて、電源開発が所有する風力発電所の環境価値を利用し、実質的に再エネですべての電力消費を賄うと発表している。エネハブのデータベースによると、東レにとってはPPAを締結するのは公表ベースで初めてとなる。
一方、北電BESTは2022年に福井鋲螺と2.46MWのオンサイトPPAや、セブン‐イレブン・ジャパンと6.22MWのオフサイトPPAなど多数のPPAを締結している。今回の東レとの契約は、そのなかでも最大規模のオンサイトPPAとなる。
先月、SMFLみらいパートナーズがYKK APの敷地内に太陽光発電所を設置し、今月には中部電力が需要家の遊休地を利用したオフサイトPPAを発表するなど、大口需要家が保有する未利用地を活用した開発が増加している。太陽光発電所を開発するための適地が減少する中、再エネの開発事業者にとって、未利用地の確保は一層重要となっている。