
東京都は先月、2024年度の系統用蓄電所支援事業に関する助成金交付先を発表した。今年度の「再エネ導入拡大を見据えた系統用大規模蓄電池導入支援事業」では、昨年10月に交付申請を締め切り、合計12件の事業(総出力:180MW/総容量:595.3MWh)が採択を受け、交付決定額は約130億円にのぼる。
助成対象は、東京電力管内に設置する1MW以上の系統用蓄電所事業であり、各事業に対して最大20億円の補助が受けられる。補助金は、設計・工事費の2/3 (電気自動車の電池などを二次利用する場合は3/4)以内を補助する。
今年度の交付先件数は12件で、前年度26件の半減した。一方、蓄電所の総出力および蓄電池総容量は前回の50.5MW/171.6MWhから3倍以上に増加し、各事業規模が拡大したことが分かる。これに伴い、1件あたりの交付額は2023年度の約3.56億円から約11億円に増加した。
中でも、最も交付額が大きかったのはNTTアノードエナジーとリニューアブル・ジャパンの2件で、それぞれ上限の20億円である。続いて、交付額が10億円〜20億円未満の事業が4件を占めている。また、東京センチュリーは12件のうち2件の交付を受けることが決定した唯一の事業者である。
交付事業の都道府県別では、茨城が3件、神奈川、千葉、栃木が各2件、東京、埼玉、群馬が各1件である。
国内では、太陽光や風力などの変動電源の導入拡大に伴い、系統用蓄電所の重要性が増しており、経済産業省も系統用蓄電所向けの補助金を交付している。2024年度には、合計27件の事業に対して346億円の補助を行っており、経済産業省と東京都は2025年度も引き続き系統用蓄電所の導入支援を進めていく予定だ。