
運転している(画像:ユーラスエナジー)
ユーラスエナジーホールディングス(以下、「ユーラスエナジー」)は2月3日、子会社である道北風力が北海道稚内市にて建設を進めていた「勇知ウインドファーム」(連系容量:72.2MW)が同日運転を開始したことを発表した。勇知ウインドファームは、2016年度にFIT(固定価格買取制度)認定を受けており、FIT価格は22円/kWh。発電する電力は北海道電力ネットワークへ全量売電する。
同風力発電所は、道北地域に陸上風力発電所全6ヵ所、計107基の風力タービンを建設する「道北風力発電事業」の一環で、47.5MWの「浜里ウインドファーム」、80.0MWの「川南ウインドファーム」、64.0MWの「川西ウインドファーム」、42.0MWの「樺岡ウインドファーム」に続く5カ所目の発電所であるとのこと。同社はすでに6ヵ所目の芦川ウインドファーム(規模:128.8MW)の北側区画(出力:68.8MW)の営業運転を2024年1月に開始しており、今年中に南側区画(連系容量:60.0MW)も運転を開始する予定である。
勇知ウインドファームのEPC(設計・調達・建設)は関電工が担当し、2021年7月に着工した。発電所はGEベルノバ社製の風力タービンを18基(出力:75.6MW)建設したが、系統の空き容量の制約により出力制御を行なっている。浜里、川南、川西ウインドファームもそれぞれ出力が制限されている。
豊田通商を親会社に持つユーラスエナジーは、日本最大の風力発電開発事業者であり、国内では北海道と東北を中心に38ヵ所、計1.1GWの陸上風力発電所を運転している。
道北地域は国内でも極めて風況に恵まれた風力発電の適地である一方、電気を需要地へ送るための送電線に空き容量がなく、浜里、川南、川西の各発電所では出力抑制がされているが、コスモエコパワーなどと共同で設立した北海道北部風力送電が、2023年4月に大規模な送電網と蓄電池設備の整備を竣工させたことで、この地域で大規模な風力発電の導入を進めることが可能になったという。